
目前だった今季初完封を逃し、阪神の村上は口を真一文字に結びながらマウンドを後にした。「最後まで投げ切れなかった悔しさがある。これも経験」。4月3日以来となる白星をつかんでも、表情は浮かないままだった。
八回までは会心の内容。球威で押し込んだかと思えば、チェンジアップなど変化球を低めに決めてかわす。左打者が多く並んだ打線に対し、うまく球を散らし、テンポも抜群だった。だが、九回に試練が訪れる。不運な当たりもあって招いた2死一、二塁のピンチ。坂倉に内角高めのカットボールを左翼線に運ばれて1点を奪われ、「あと1球の難しさ」を痛感した。
今季は立ち上がりの失点でリズムに乗れなかったり、好投しても打線の援護がなかったり。それでも、「何も気にせず、先発の役割をやろう」。久々の勝利は良薬になるはずだ。
リーグ連覇に欠かせない右腕は「まだまだ実力不足。もっと技術面を突き詰められたら」。最高の形で締められなかった悔しさを、今後の糧にするつもりだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕力投する阪神先発の村上=16日、甲子園
2026年05月16日 20時13分