
大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」を巡り、大阪府・市の両議会で関連議案の審議が本格化する。市は15日、都構想実現の前提となる「法定協議会」を設置する議案を提出。ただ、地域政党「大阪維新の会」市議団は賛否を決めておらず先行きは見通せない。市議団は吉村洋文知事(党代表)の去就も判断材料とする構えだ。
「都構想の設計図を作るために必要な議案だ。市議会でしっかり(審議を)進めてほしい」。吉村氏は15日、府庁で記者団にこう強調。横山英幸市長も市役所で「理解が進むよう頑張りたい」と語った。
法定協は特別区の「区割り」や住民投票の手順を議論する枠組みで、設置には府・市両議会の議決が必要。吉村氏は2027年4月までの任期中に3度目となる住民投票の実施を目指しており、法定協設置を急ぐ。
ただ、市議団側は23年の市議選で都構想を掲げていなかったとして難色を示しており、2~3月に開かれた議会への設置案提出は見送られた。市議団は、吉村氏が都構想推進を掲げ知事と市長の出直し選に踏み切った判断にも反発している。
吉村氏を巡っては、将来的な国政復帰を念頭に、来春の次期知事選に出馬しない可能性が取り沙汰されている。これに関し、市議団の竹下隆幹事長は15日、記者団に「(吉村氏が知事を)続投しないなら、われわれも突っ込んでいけない」と指摘。吉村氏が来春以降も知事を続けることが議案賛成の条件だと訴えた。
府議会では圧倒的多数を占める維新だが、市議会は定数81に対して16日時点で41人。過半数をわずかに上回る状況で、結束して賛成できるかが設置案の成否に直接影響する。都構想に前向きな府議団幹部は「結論次第では出直し選の意義が問われかねない」と気をもんでいる。
【時事通信社】
〔写真説明〕取材に応じる大阪府の吉村洋文知事=15日、府庁
2026年05月16日 20時32分