
額から流れる血が痛々しい。つかみかけた白星を離すまいという必死さの表れだろう。大関に返り咲いた霧島は連敗せずに給金を直し、「何とか勝ててよかった」。支度部屋では痛みに顔をゆがめながら、落ち着いた口調で振り返った。
左を差し、右を使って若元春が得意の左は差させないようにしながら攻め込む。土俵際で相手が逆転を狙って繰り出した投げに体を預け、頭から土俵下に落ちて負傷。館内は騒然としたが、立ち上がって勝ち名乗りを受けると、拍手に包まれた。「全然、大丈夫。(傷が)これぐらいでよかった」と胸をなで下ろした。
連勝が7で止まった翌日の9日目の朝稽古でも、表情は明るかった。活躍の原動力になっているまな娘にも「きのうは仕方ないから頑張れ」と励まされ、「はーい」。温かいやりとりに、父の心は晴れ、「全て忘れて取組に集中した」。
2横綱1大関の不在に加え、大関琴桜も不調。そんな中で看板力士としての責務を果たそうと奮闘を続けている。「ここで変わることはない。一番一番、いつも通り」。2場所連続の賜杯獲得を見据え、姿勢は変わらない。
【時事通信社】
〔写真説明〕若元春(右)を攻める霧島=18日、東京・両国国技館
2026年05月18日 20時52分