
今季初完封を目前にした日本ハムの伊藤に試練が待っていた。九回、3連打を浴びて無死満塁。だが、スタンド全体で重圧をかけてくる敵地の雰囲気にも「やっぱり甲子園だな」。大ピンチを楽しむ余裕があった。
それまで追い込んでからはスライダーを主体に攻めていたが、九回は力勝負を挑んだ。直球で押し、木浪を高めで空振り三振。次の高寺は上川畑の好守で二直に仕留めると、最後の代打小幡も真っすぐを振らせて試合を終わらせた。球数130、13奪三振はいずれも今季最多。昨季の沢村賞右腕は「メッチャ気持ちよかった」と汗を拭った。
六回には打球を足に受けた後、全速力で一塁ベースカバーに走った。打席では、五回にプロ初の送りバントに成功。投げて、守って、バットでチームを引っ張った。
実は試合前、新庄監督は伊藤をきつく叱ったという。その理由を最後まで明かさなかったが、マウンドを守り切ったことに大満足の監督は「許す」と笑い飛ばした。エースの好投で交流戦は白星発進。開幕からいまひとつ乗り切れなかったチームに、上昇気流が生まれそうだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕阪神に完封勝利し、喜ぶ日本ハムの伊藤=26日、甲子園
2026年05月26日 22時57分