
2030年冬季五輪での除外決定から一夜明けた8日、ノルディックスキー複合の関係者は一様に無念さをにじませた。
五輪に6大会連続で出場し、メダル4個を獲得した渡部暁斗さんはオンラインで取材に応じ、「悲しさと悔しさと、行き場のない怒りみたいなものが心の中から湧き上がっている」。
国際オリンピック委員会(IOC)が除外の理由とした人気の低さやメダル獲得国の偏りなどについては、「多くの冬季競技にも当てはまる。なぜ複合だけ、という疑問が消えない」と指摘。一方で「長い歴史で女子種目の普及に力を入れてこなかった。もっと早くから努力していれば、こんなことにならなかった」とも話した。
34年大会以降で復活する可能性があるとはいえ、渡部さんは「かなり厳しい道になる。各国で連携して普及や強化をしないと、(競技が)消滅することもある」と危機感を募らせた。
1994年リレハンメル五輪団体金メダリストで、飛型審判員を務める阿部雅司さんは「国内の競技人口減少は避けられない」とした上で、「女子の盛り上がりが第一歩になると思う。34年に復活するなら、男女での実施がマスト」と説いた。
五輪団体連覇の実績を持つ全日本スキー連盟の河野孝典競技本部長は、「日本の男子ジャンプ選手は半分以上が複合経験者。幼少期のスキー距離の経験が競技力向上に一役買っている」と語り、存続の重要性を訴えた。
【時事通信社】
〔写真説明〕オンライン取材に応じるノルディックスキー複合の五輪メダリスト、渡部暁斗さん=8日
〔写真説明〕ミラノ・コルティナ五輪の後半距離で力走する渡部暁斗=2月19日、イタリア・テーゼロ
2026年07月08日 19時28分