
6月以降、3連敗は一度だけ。後半戦のソフトバンクの試合運びは、まさに横綱相撲だった。9月の1週目、5ゲーム差で2位の西武を本拠地に迎えた。3連戦で高橋光、隅田、武内を先発に立てた相手に、難なく勝ち越した。
選手もベンチも冷静だった。初戦に先発した前田悠が不調と見ると、小久保監督は早めに継投して試合を落ち着かせ、強力打線の援護を待った。守備の乱れと高橋光の緊急降板で、あっさり流れを手放した西武とは対照的だった。
開幕時点では前途多難だった。2連覇の立役者モイネロは調整が遅れ、昨季最多勝の有原はライバルと目された日本ハムへ移籍。小久保監督は台所事情が苦しいことを予期し、「変幻自在に戦う」と話していた。
先発の大関やスチュワートまで当てが外れた。ローテーションを維持するのも精いっぱいで、今季育成から昇格させた投手は7人。苦境の中、大津はチームトップのイニング数を投げるなど成長した。強力な中継ぎ投手と打線に支えられ、前田悠、松本晴も初の2桁勝利に達した。
野手も柔軟に起用した。春先は実績のある柳町や山川が不調で、長引く前に5~6月に2軍調整を命じた。本塁打でリーグトップを走っていた栗原を4番にすると打点を量産。思い切りよくバットを振れる正木の1番起用も功を奏した。
編成を担う城島チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)は手厚くサポートした。課題だった打撃力のある捕手を求め、伸びしろがある2選手と引き換えに、DeNAの正捕手で打力のある山本祐を獲得した。小久保監督が「セ・リーグで一番いい」と評価する扇の要が加わり、打線は盤石となった。
昨秋、甲子園球場で日本シリーズ優勝を決めた後、小久保監督と城島CBOは、早くも翌シーズンに向けて話し合った。3連覇への監督の覚悟を聞いた城島CBOは「しっかりした戦力を提供し、監督の意志に応えたい」と決意していた。
王貞治元監督の下で現役時代を過ごし、「王イズム」を共有する2人。長年にわたって揺るがない組織づくりを進めている。城島CBOは「監督は1軍を勝たせ、補強は僕らの仕事。役割分担が明確になっている」と強調する。
2人が陣頭指揮して現場とフロントが一枚岩となり、今年もチャンピオンフラッグを守り切った。福岡移転後では初の3連覇。黄金時代は続きそうだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕パ・リーグ3連覇を果たし、スタンドに向かって手を振るソフトバンクの小久保監督(右端)と選手ら=17日、京セラドーム
2026年09月17日 22時30分