問われる自国開催の価値=五輪招致へ試金石―愛知・名古屋アジア大会



夏季では32年ぶりの日本開催となる愛知・名古屋アジア大会。2021年東京五輪以来となる自国での大規模な国際総合大会だ。国内で「スポーツの祭典」を開く価値とは何か。改めて問われる16日間となる。

東京五輪は新型コロナウイルス禍のため原則無観客で行われた。開催を巡って賛否の声が渦巻き、葛藤を抱えた選手も。国民の多くは現地で観戦できなかった。今大会は、5年前にかなわなかった「観客と選手が一つになる」舞台。スタンドからの声援が選手の背中を押し、喜びや感動を分かち合う。スポーツが持つ力を社会に再認識してもらう契機にもなる。

一方、自国開催には大きな負担も伴う。東京五輪は開催経費が膨らみ、後に汚職・談合事件も明らかになった。今大会も資材や人件費の高騰などで経費が増加し、パラ大会を含めて総額3700億円に上る見込みだ。

経費抑制のため選手村を新設せず、競技会場には既存施設を積極的に活用。愛知県内を中心とする5都府県に会場を分散させた。効率的で持続可能な運営モデルを示せるかが焦点となる。

国内では、札幌市が23年に冬季五輪・パラリンピックの招致活動を停止。経済界からは活動再開を望む動きが出ている。大規模な総合大会を国内で開く意義を示しながら、その負担をどう抑えるか。今後の五輪招致にも通じる課題だ。

日本オリンピック委員会(JOC)の橋本聖子会長は「もう一度、このような素晴らしい国際大会を日本でやってもらいたいと思ってもらえる大会にしたい」と語る。愛知・名古屋から生まれる熱気を、その先へどうつなげるか。将来的な五輪招致を見据える上でも、重要な試金石となる。

【時事通信社】 〔写真説明〕開会式で入場行進する日本選手団=19日、愛知・パロマ瑞穂スタジアム

2026年09月20日 08時57分


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