
日本オリンピック委員会(JOC)が、組織の在り方を従来の「運営」から、自ら収益や価値を生み出す「経営」へと発展させる改革に乗り出した。2028年ロサンゼルス五輪やその先を見据えた取り組みで、財務や事業企画などの専門知識を持つ民間人材を公募。「五輪特需」に頼る構造から脱却する構えだ。
JOCはこれまで五輪を含む国際総合大会への日本代表選手団派遣や、国内競技団体への補助金分配などの支援を中心に担ってきた。しかし、近年は物価高騰や円安の影響を受け、選手は遠征費などの自己負担が増え、競技継続への課題となっている。こうした状況に危機感を抱いた。
改革は以下三つの重点軸で推進する。(1)国際大会を招致し、地域活性化やスポーツ参画人口の拡大を目指す(2)基金運用やイベントの展開、グッズ事業の強化などで日本代表のブランド価値を高め、安定した収益基盤を確立する(3)各国内競技団体の経営を支援し、選手が安心して競技に専念できる環境の確保やガバナンス強化に取り組む―。
担い手として、最高財務アドバイザーやロス五輪の現地拠点統括プロデューサーなど10職種を22日まで募集。橋本聖子会長は「スポーツの価値をもっと社会に届けていく必要がある。あらゆる産業を結び付けて、価値を創出していきたい」と思い描く。
太田雄貴専務理事は、日本フェンシング協会会長時代に経営や強化を担う外部人材を公募で採用した経験がある。「生まれ変わっていく上での仲間集め。選手にプロフェッショナルな競技結果を求めている以上、運営側もプロでなければならない」と語った。
【時事通信社】
〔写真説明〕民間人材の公募を呼び掛けるJOCの橋本聖子会長(中央)と太田雄貴専務理事(左)。右はビズリーチの酒井哲也社長=6日、東京都新宿区
2026年10月11日 07時18分