フジテレビは30日、2025年3月期の広告収入が1252億円と、従来予想から233億円減少する見通しだと発表した。元タレントの中居正広さんの女性トラブルへの対応を問題視したスポンサーの間でCM差し止めの動きが拡大したためで、赤字に転落する見込み。これを受け、親会社フジ・メディア・ホールディングスは通期の連結業績予想を下方修正した。
同日の取締役会で、広告主が差し止めたCMの料金を請求しないと正式に決めたことを踏まえ、業績予想に反映させた。親会社の純利益は290億円から98億円へと3分の1の水準に落ち込み、営業利益は180億円に半減する見通し。取締役会後に取材に応じたフジの清水賢治社長は「極めて深刻に受け止めている」と述べた。
取締役会では、企業統治体制の立て直しなどについても議論。親会社の取締役会の下に社外取締役の全7人をメンバーとする「経営刷新小委員会」の設置を決めた。グループの経営に対する影響力が大きいと指摘される日枝久取締役相談役を含む経営陣の責任を問う声が社内外で上がっているが、清水氏は「議論はなかった」と説明した。取締役会には日枝氏も出席。発言内容について、清水氏は明らかにしなかった。
【時事通信社】
〔写真説明〕取材に応じるフジテレビの清水賢治社長=30日午後、東京都港区
〔写真説明〕フジテレビで流れるACジャパンの公共広告
2025年01月30日 21時58分