石破茂首相は19日の参院予算委員会で、選択的夫婦別姓制度の導入に慎重な姿勢を示した。「家族の一体感、子どもへの影響などの観点から、家族で氏(姓)が異なり得る制度に懸念を持たれている方がいることも事実だ」と述べた。
首相は国民の間でも賛否が割れているとして「ベストの解、全ての方が納得できる解はない」と指摘。「どうすれば不便が最小限で済み、デメリットを解消できるか、さらなる見解を賜りたい」と語った。公明党の矢倉克夫氏への答弁。
首相は参院選挙区の合区解消に意欲を見せた。「合区の非合理性は鳥取・島根、徳島・高知のみんなが思っている」と強調。憲法改正が必要だとする自民党の方針を紹介しつつ、「改憲によらずしてもそれ(合区解消)ができるという考え方もあるかもしれない」との認識を示した。立憲民主党会派の広田一氏への答弁。
コメの価格高騰対策を巡り、首相は「おいしく、手に入りやすいコメの維持は農政の最大の課題だ」と強調。「生産を増やす、あるいは輸出を視野に入れ、食料安全保障を考える。コメ政策全体についてもう一度議論が必要だ」と訴えた。矢倉氏の質問に答えた。
日本維新の会の猪瀬直樹参院幹事長は、医薬品への保険適用の見直しに関する与党と維新の協議に絡み、日本医師会が自民に圧力を加えているのではないか、とただした。首相は「特定団体の影響によって政策をゆがめたことはないと確信している」と否定した。
【時事通信社】
〔写真説明〕参院予算委員会で答弁する石破茂首相=19日午後、国会内
2025年03月19日 17時17分