「ハイリスク出産」防止で調査へ=予期せぬ妊娠、悩んだ女性に―こども家庭庁



こども家庭庁は、虐待や貧困など生活に困難を抱えた妊産婦がどんな経緯で支援機関につながり、助けられたかを把握する実態調査に乗り出す。予期せぬ妊娠などに悩み、誰にも相談できないまま危険な状態で産む「ハイリスク出産」を防ぐ狙い。実際に支援を受けた女性にヒアリングし、適切な情報提供の方法を探る。

同庁は昨年度、家庭生活に困難を抱えた「特定妊婦」や出産後の母子に、一時的な住まいや食事を提供する「妊産婦等生活援助事業」を始めた。都道府県や市町村が主体となって居場所を提供するほか、相談内容に応じて医療機関にかかることをサポートする枠組みだ。今年1月時点で23自治体で展開している。

調査は7月ごろから来年3月末にかけて行う予定。まず、同庁の事業を行っている自治体の乳児院や支援施設に状況を聞き、調査協力に応じた女性を対象に、個別にヒアリングする。女性の心情に配慮した調査手法を検討する。

その結果を踏まえ、行政や医療機関の職員など妊産婦と接点のある人が女性に適切な支援を勧められるよう、情報提供の在り方を検討する。事業に課題があれば改善につなげ、実施自治体も増やしていきたい考えだ。

同庁によると、保護者との関係が悪く自宅で暮らせない若い妊婦や、パートナーの暴力から逃れてきた妊婦など、事業を利用する背景はさまざまという。一方、妊娠期間中に適切な支援を受けられず、危険な状態で病院に運ばれる妊婦や、出産直後に新生児を死なせたり、心中したりする女性も後を絶たない。

同庁担当者は「無事に支援を受けられた人は、どのような経緯でたどり着いたのか。女性のこれまでの人生と支援に至ったプロセスを明らかにすることで、助けを必要としている人をもっと救えるのではないか」と話している。

【時事通信社】

2025年06月07日 13時31分

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