財務省が17日発表した6月の貿易統計速報(通関ベース)によると、米国向け輸出額は前年同月比11.4%減の1兆7071億円だった。トランプ米政権が追加関税を発動した自動車が26.7%減と、大きく落ち込んだ。
自動車の輸出額が前年同月の水準を下回るのは4月から3カ月連続。額の減少幅は拡大傾向にあるが、台数ベースではほぼ横ばい。関税による米国内での販売価格の上昇を抑えるため、各メーカーが価格を下げて輸出している可能性がある。
ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は「輸出価格の大幅な引き下げによって、国内自動車メーカーの収益は大きく悪化している」と指摘。耐えきれず値上げに踏み切るメーカーも出てきており、今後は台数の減少も予想されるという。
【時事通信社】
〔写真説明〕横浜港の大黒ふ頭に並んだ新車=4月2日(AFP時事)
2025年07月17日 17時55分