サッカーJ3「FC大阪」が本拠地としている花園ラグビー場(大阪府東大阪市)を巡り、本拠地と認める前提となっていた同クラブによる改修工事が、提案から5年半が経過しても未着工のままとなっている。市は昨年12月、期限を設定して改めて協定を締結。FC大阪の近藤祐輔社長は「今後の進行を見てほしい」と話している。
FC大阪は2019年11月、花園ラグビー場の第2グラウンドについて、「5000席以上のスタジアムを建設して市に寄贈する」と提案。市はその代わりにクラブの本拠地とすることを認め、建設完了まで暫定的に第1グラウンドの使用を許可した。
ただ、寄付という性質上、市は建設期限を設けずに協定を締結した。その後、旗振り役の前社長が21年に急死。市側も担当者が異動し、双方とも当時の正確な交渉内容を把握できないまま未着工となっていた。
市は24年12月、建設完了期限を28年3月末とし、「建設不可能と判断した場合はホームスタジアムと認めない」というペナルティー付きで再協定を締結。FC大阪は今年6月、新たな建設計画書を市に提出し、市長の承認を受けた。
ただ、約15億円に上る改修費用をどう工面するか懸念は残る。FC大阪は10年かけて支払う計画だが、直近の当期利益は約20万円にとどまる。その点について、近藤社長は「人件費などのやり繰りで利益を上げていく」と説明した。
スポーツ施設整備に詳しい日本女子体育大の上林功教授は、協定締結時の市の対応について「寄付であっても、期限や遅れた場合の取り決めをしておくべきだった」と指摘。その上で市に対し「寄付を当てにせず、国の補助金やクラウドファンディングを活用した費用確保も検討すべきではないか」と話した。
【時事通信社】
〔写真説明〕改修工事で新スタジアムが建設される予定の花園ラグビー場第2グラウンド。奥に見えるのが第1グラウンド=6月19日、大阪府東大阪市
2025年08月29日 18時03分