保守層奪還、自民道半ば=宮城知事選、参政に苦戦



26日に投開票された宮城県知事選で、自民党や日本維新の会の支援を受けて6選を果たした現職知事に、参政党が支えた自民元参院議員が約1万6000票差まで迫った。今月発足した高市内閣は各種世論調査で比較的高い支持率を記録したが、自民内には「岩盤支持層」の奪還は道半ばだとの見方が出ている。

「保守層はまだ戻り切ってはいない。高市政権でなければ負けていた」。自民保守派は27日、危機感をあらわにした。

参政は7月の参院選で「日本人ファースト」を訴え、保守層の受け皿となって大幅に躍進。自民惨敗の一因となった。今回の知事選でも無所属で挑んだ和田政宗氏が厳格な外国人政策を主張。神谷宗幣代表は選挙戦中、4回にわたって和田氏と並んで街頭演説し、支持を訴えた。

これに対し、自民は維新、公明両党と共に村井嘉浩知事を支援。当初は楽観論が強かったが次第に苦戦が伝えられた。松下政経塾の先輩に当たる高市早苗首相の応援メッセージを陣営のユーチューブサイトで公開するなどして辛くも逃げ切った。

県連関係者は「首相の動画で政権との近さをアピールできた。これがなければ危なかった」と胸をなで下ろす。自民若手は「党の支持率は思ったほど回復していない」と述べ、関係者は「高市氏に代わったら支持が戻ってくるという単純なものではない」と漏らした。

高支持率を受けて自民内の一部では早期の衆院解散論も出ているが、ある衆院議員は「実績を積み重ねるのが先だ」と指摘した。

一方、神谷氏は27日、今後の地方選に関し「候補者選定の段階から関わり、党として全力で応援できる体制にしたい」と記者団に強調。知事選も含め候補を積極擁立し、支持拡大を図る考えを示した。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者団の取材に応じる参政党の神谷宗幣代表=27日午後、国会内

2025年10月28日 07時05分


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