地銀・信金の「早期警戒」見直しへ=システム共同化に交付金―金融庁



金融庁の金融審議会(首相の諮問機関)は28日、作業部会を開き、地方銀行や信用金庫の財務悪化を防ぐための早期警戒制度を見直す議論を始めた。金利変動リスクや将来の人口減少を判断基準に加えてモニタリングを強化し、早期の経営改善を促す。このほか、地域金融機関の合併や経営統合時に活用できる交付金制度の申請期限の延長と拡充案も提示。業務効率化を促すため、システムの共同利用へ支援体制も整える。

早期警戒制度は、収益性などに懸念がある金融機関に対し、報告徴求命令や業務改善命令を早めに出すことができる仕組み。日銀の利上げによって国債の含み損を抱える地銀や信金が増えており、運用を見直す必要があると判断した。委員からは「(金利変動や人口減による)収益性や財務的影響の検証の精度が十分ではない」といった意見が出た。今後、制度設計の詳細を詰め、地域金融機関向け監督指針の改正を目指す。

金融機能強化法に基づく現行の交付金制度は、合併する地域金融機関に対し、システム統合などにかかる初期費用の3分の1、30億円を上限に支援している。金融庁は今回の拡充で、交付金を増額するとともに、再編を伴わないシステムの共同化も交付金の支給対象としたい考え。

【時事通信社】

2025年10月28日 18時14分

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