
【ニューデリー時事】新興・途上国「グローバルサウス」の盟主として存在感を増すインド。経済規模は2026年に日本を上回り、米国、中国、ドイツに次ぐ世界4位に浮上する見通しだ。最大の人口大国となり、年6%台の高成長が続くが、国内には大きな経済格差も横たわっている。
国際通貨基金(IMF)の最新推計では25年のインドの名目GDP(国内総生産)が4兆1300億ドルで、日本の4兆2800億ドルに及ばない。だが、26年には4兆5100億ドルと、4兆4600億ドルの日本を僅差で逆転する。
モディ首相は14年の就任から積極的な外資誘致や税制改革といったビジネス環境整備に注力。14億人超の人口と若い労働力を背景に、GDPの約6割を占める個人消費も順調に伸びた。
インドは29年にドイツも上回り、モディ氏が公約に掲げる「世界3位の経済大国入り」が視野に入る。一方、日本は30年に6位の英国と入れ替わり順位をさらに落とす可能性がある。
ただ、名目GDPは物価や為替に左右されやすく、それだけでは国民の豊かさや格差を測れない。1人当たりのGDPは25年時点でインドが2820ドルに対し日本は3万4710ドルと、10倍以上の開きがある。フランスの世界不平等研究所によると、インドでは上位1%の富裕層が国富の約4割を保有する。
インド政府は25年末に公表した経済見通しで、既に日本を抜き世界4位の経済大国になったと主張した。しかし、IMFはかねて政府経済統計の算出法に問題があると指摘。インドの経済学者アルン・クマール氏は、GDP成長率は公式発表より「少なくとも4%低い」とし、実際には2~3%程度とみる。
クマール氏は、インドは全労働者の6%が属する大企業中心の「組織部門」と、農家や小規模事業者などから成る94%の「非組織部門」に分かれると説明。非組織部門の方が成長率が低いにもかかわらず、集計が困難なためデータを適切に反映せず、過大評価が起きているという。
急速な経済成長は格差拡大ももたらした。インド特有の身分制度「カースト」が根強い地域や農村では不満が噴出し、与党は直近の総選挙で苦戦を強いられている。クマール氏は「インドの経済規模は実際には2.5兆ドル程度で、イタリアを上回る世界7位だ」と苦言を呈した。
【時事通信社】
〔写真説明〕インド西部の商都ムンバイの街並み=2025年10月(EPA時事)
〔写真説明〕取材に応じるインドの経済学者アルン・クマール氏=2025年12月、ニューデリー近郊
2026年01月03日 19時02分