
【ワシントン時事】11日公表された1月の米雇用統計では、労働市場の予想を上回る底堅さが示された。雇用情勢の安定化が改めて確認されたことで、連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を当面、現行の年3.50~3.75%で据え置き、様子見を続けるとの見方が浮上する。
「われわれは(景気)加速の段階にある」。ベセント米財務長官は11日の米テレビ出演で、「今年(の成長率)は極めて強い数字になる」と、経済の先行きを楽観した。
雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門就業者数が前月比13万人増と、市場予想(7万人増)を大きく上回った。失業率も4.3%と、前月から0.1ポイント改善。クリーブランド連邦準備銀行のハマック総裁はオハイオ州立大で行われたイベントで、「労働市場は健全な均衡状態にある」との見解を示した。
雇用悪化リスクが目に見えて後退する中、市場では「(5月に退任する)パウエル現議長の下では、FRBは利下げしない」(米金融大手)との声も上がる。今年、FRBの金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つハマック氏は「現行水準で金利を維持し、様子を見るべきだ」と言い切った。
一方、トランプ大統領に利下げ圧力を緩める気配はない。10日放映のテレビインタビューで、次期FRB議長に指名すると発表したウォーシュ元理事について「私の主張に同意していると思う」と発言。「彼が仕事をこなせば、15%成長は可能だ」と述べた。11月の中間選挙を控え、金融緩和により好景気と株高を維持しようとする思惑が透ける。
だが、「トランプ関税」のほか、人工知能(AI)投資ブームなど強い需要の影響もあって、米国のインフレは「高過ぎる」(ハマック氏)との懸念は払拭されていない。パウエル氏退任後も、トランプ氏とFRBの金利を巡る対立の火種はくすぶり続けそうだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕雇用統計を発表した米労働省の建物=2025年9月、ワシントン(EPA時事)
2026年02月12日 20時30分