
「国家情報会議」設置法案の国会審議が2日、始まった。インテリジェンス(情報収集・分析)能力の強化は高市早苗首相の肝煎り。政府は厳しい安全保障環境を理由に必要性を強調するが、野党にはプライバシー侵害につながるとの懸念が強い。この日の審議では、首相が質問に正面から答えず歯切れの悪い答弁も少なくなかった。
「複雑で厳しい国際環境において、国家としての情報収集、分析能力を高め正確な判断を行うことが重要だ」。首相は2日の衆院本会議で、こう訴えた。
中道改革連合の後藤祐一氏はプライバシー保護の観点から「個人や民間企業、団体の持つ情報も収集対象か」と質問。「懸念に対する配慮は法的にどのように担保するのか」とただした。
首相は安全保障の確保やテロの防止、緊急事態への対処を例示し「国家情報局は国民の安全、国益を守る上で必要な総合調整を行う」と説明。「国家情報局がこのような観点に全く基づかない指示を行う必要はなく、国民のプライバシーを無用に侵害することはない」との認識を示した。
論点によっては明確に答えないこともあった。後藤氏は政治的中立性に疑いの目を向け、収集する情報に「野党の活動」が含まれるか追及。首相は「外国勢力によらない市民団体等の活動」は対象外と明言したが、「野党の活動」には触れなかった。
国民民主党の橋本幹彦氏は「都合の良い情報だけが上がり、反対情報が握りつぶされる」恐れがあるとして、「インテリジェンスの政治化」を危惧。首相は「進めたい政策ありきで客観性を欠いた情報収集・分析が行われることはあってはならない」と答えたが、具体的な防止策には言及しなかった。
国会による検証も議論となった。後藤、橋本両氏は制度の運用が適切か報告書を定期的に公表するよう主張。首相は「国民の権利義務に直接関わる権限の強化」ではないとして、否定的な考えを示した。
【時事通信社】
〔写真説明〕衆院本会議で答弁する高市早苗首相=2日午後、国会内
〔写真説明〕衆院本会議で質問する中道改革連合の後藤祐一氏=2日午後、国会内
〔写真説明〕衆院本会議で質問する国民民主党の橋本幹彦氏=2日午後、国会内
2026年04月03日 07時06分