31日は世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」。たばこのパッケージを巡っては、黒く汚れた肺など健康被害を警告する画像の表示を義務付ける国も多いが日本は対象外だ。画像には文字と比べ禁煙を促す効果が期待できるとの調査結果もあり、専門家は「日本も画像による警告表示の導入を」と訴える。
調査は、厚生労働省の科学研究費補助金などを受ける研究班が実施。2020年、10~70代の喫煙者2372人に対しインターネットで行った。
調査では、文字だけの警告で、表示面積が異なる2種類と、文字に加え画像も付く3種類を見た際の印象を尋ねた。画像は汚れた肺や、副流煙に苦しむ乳児など。
「禁煙したいと思わせる効果」を尋ね、「極めてある」「かなりある」を合わせた数字を見ると、文字だけの場合はいずれも4%強だった。一方、画像がある3種類では13.7~20.1%と高い数字になった。
カナダがん協会が昨年10月に発表した報告書によると、警告画像は140の国・地域で表示が義務付けられている。特にカナダやオーストラリアでは、たばこ1本ずつに警告文を表示しなければならないという。
日本では20年4月、パッケージの裏表面などにおける警告の文字の表示面積が30%以上から50%以上に引き上げられたが画像表示の義務化は見送られた。18年にあった財務省の審議会では、画像には一定の視覚的効果が期待できる一方、過度な不快感を与えないよう配慮するべきだとされ、「引き続き検討されるべき課題」にとどまっていた。
研究班メンバーを務める国立がん研究センターの片野田耕太氏は、警告表示について「喫煙は社会的に受け入れ難いものというメッセージを伝える目的がある」と指摘。「画像表示の導入により、新たな喫煙者をできるだけ減らすことが公衆衛生的には大事なのではないか」と話している。
【時事通信社】
2026年05月30日 20時31分
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