長丁場見据え、トレーナー増員=AI使い選手の状態把握―W杯4大会に同行、チーフの菊島さん



サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会に向け、日本代表がメキシコのモンテレイで事前合宿を続けている。今大会から参加国が増え、長丁場となるため、チームは体調管理やけがの専門家「アスレチックトレーナー」を従来の5人から6人へ増員。人工知能(AI)も活用するなどして対策に当たる。チーフトレーナーの菊島良介さん(48)は「優勝のために全てが動いている」と静かに闘志を燃やす。

15日(日本時間)に初戦に臨む日本代表は、決勝まで勝ち進めば1カ月以上、戦いを続ける。序盤に負傷者が出た場合、大会中の復帰を目指して支援に専念する担当者が必要と見込み、態勢を拡充した。

トレーナーは、大会前から活動を本格化させている。2022年カタール大会以降、国際Aマッチの招集の約2週間前には、日本代表メンバーが所属する欧州のクラブを訪問。各チームのメディカルスタッフと面談するなどし、選手の体調やけがの回復具合の把握に努めてきた。「招集の可否を含め、現地で選手を見るのが最も正確に状態を把握できる」と菊島さんは話す。

トレーナーは選手の体の状態を把握するため、血液検査で筋損傷の回復度を測り、指輪型デジタル機器「スマートリング」で睡眠の質を評価する。体重測定やアンケートも加え、AIで総合的に可視化している。こうしたデータは監督・コーチ陣に共有され、練習強度や試合での起用判断に反映される。

今大会の課題の一つは暑さ対策だ。日本代表の予選会場は、米南部ダラスと、モンテレイ。両都市とも昨年6月の平均最高気温は32度を超えており、菊島さんは「暑さが最も厳しいグループ。選手の状態把握に抜けがあってはならない」と気を引き締める。

菊島さんは「最後は選手と話すことが重要だ」と強調する。選手の感覚とデータが食い違う場合、けがのリスクが高まるといい、「AIは性格までは判断できない。アンテナを張り続け、総合的に見極める必要がある」と語る。

14年ブラジル大会から4大会連続でチームに同行し、今回、初めてチーフを務めるという菊島さん。「選手とともに目標へ向かえるのが幸せ。選手のコンディションを良くするために常に考え、勝利に貢献したい」と意気込んでいる。

【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答えるサッカー・ワールドカップ(W杯)日本代表の菊島良介チーフトレーナー=3月19日、千葉市

2026年06月06日 07時10分


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