【ワシントン、ニューヨーク、サンパウロ時事】米通商代表部(USTR)は1日、貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の初の共同見直しで、2042年までの協定延長に反対したと発表した。協定の効力は継続するが、今後も延長の可否について交渉を続ける。トランプ米政権は、域内での米国製品の活用拡大などを求めており、北米に供給網をシフトしてきた日本企業などにコスト増を招きかねない。
オンラインで会合を開き、グリアUSTR代表、メキシコのエブラルド経済相、カナダのルブラン対米貿易担当相が出席した。メキシコ、カナダは16年間の延長を求めてきた一方、トランプ大統領は不要と主張してきた。
グリア氏は声明で「今後も両国と協議を続け、協定の不備や貿易赤字に対処する」と強調した。米政権高官は記者団に「USMCAは貿易赤字を抑制する仕組みとして機能しなかった」と非難。現在の形では延長に賛同できないとし、「求める内容を両国が全て受け入れれば、(交渉は)全く別の状況になる」と圧力をかけた。
米政府は、域内で関税免除の条件となっている自動車などに関する原産地規則の強化などを求めている。米メディアによると、域内での自動車部品の調達比率を現行の75%以上から80%超へ引き上げたい考えだ。米製品の使用比率を50%とすることも求めており、北米進出企業は調達先の切り替えを迫られる可能性がある。
米政府は今後、2国間協議を進める方針で、メキシコとの次回協議を20日ごろに予定。エブラルド氏はSNSで「未解決の課題を減らし、前進を続ける」と表明した。
鉄鋼・アルミニウム関税などを巡り対立するカナダのルブラン氏は声明で「北米の競争力を支える方策を特定することの重要性で合意したが、それには分野別関税の協議も含まれる」とくぎを刺した。
【時事通信社】
2026年07月02日 06時36分
economy