【ワシントン時事】止まらぬ円安に、米国が再び日本との協調策に打って出た。金融機関にドル円相場の水準を照会する「レートチェック」の米通貨当局による実施が判明するのは今年2度目。中東情勢の悪化による円安・ドル高に加え、両国では長期金利の上昇が続く。米側は、為替市場の混乱がさらに波及する事態に危機感を強め、沈静化を狙ったとみられる。
「円相場の過度な変動は健全ではない」。ベセント財務長官は30日、米メディアにこう強調した。
米財務省はこのほど公表した為替報告書で、円相場について「過度に激しい変動は望ましくない」と明言。同省当局者は「過去1年、一貫して発信してきたメッセージの一部だ」として、共同歩調に含みを持たせた。
連邦準備制度理事会(FRB)が29日に利上げを見送ったことを受け、金融市場では政策金利に連動しやすい2年債の利回りが低下。さらに30日発表された米物価指標でインフレ率の伸びが鈍化し、米金利の上昇圧力が一段と和らぎ、ドル安が進行した。為替介入やレートチェックによって、さらに円高・ドル安の流れにさおをさすことができるタイミングだった。
ウォーシュFRB議長は29日の会合後の記者会見で、年内の金融引き締めを排除しない姿勢を打ち出す一方、市場では「利上げはしたくないのが本音だ」(エコノミスト)との声も聞かれた。米金融政策を巡る不透明感は増すばかりで、ドル円相場に影響を与える日米金利差の動向が読めない展開が続きそうだ。
ロイター通信によると、通貨ウォンの急落に見舞われている韓国も、日本と並行してウォン買い・ドル売り介入を実施したとの観測が浮上している。三村淳財務官は「米国とだけ連絡を取り合っているわけではない」と述べ、3カ国で協調した措置だった可能性をにじませた。
【時事通信社】
2026年07月31日 21時27分
economy