
熊本県で最大震度7を観測した地震で、防衛省がチャーターする民間大型フェリー「はくおうII」を使った2泊3日の宿泊支援が行われている。八代港(同県八代市)に停泊中の船内で入浴や食事、医療などの支援を無料で受けられ、子ども向けの遊び場も設けられている。利用者からは「風呂が気持ちよかった」など喜びの声が上がる。
宿泊支援は14日に始まった。県のホームページや避難所で希望者を募ったところ、受け付け開始から約1時間で定員の300人に達する人気ぶりで、和室と洋室の約100部屋が埋まった。次回は18~20日に実施される。
好評なのは船内の充実した設備だ。大浴場には足を伸ばせる大きな浴槽やサウナが完備され、窓からは八代海や島々が見渡せる。クーラーの利いた休憩所にはWi―Fi(ワイファイ)を設置。子どもたちが遊べるようマットを敷いたスペースもあり、県の要請を受けたボランティアが精神面のケアを行っている。
また、医師や看護師ら約20人も乗船し、内科診療や軽いけがの処置などを受けることができる。
八代市の荒川敬子さん(80)は夫婦で宿泊。乗船初日の14日が誕生日で、お盆の帰省を取りやめた大阪に住む娘が申し込んでくれたという。「思わぬプレゼントをもらえて幸せ。命があることが本当にうれしい」と話し、夫(82)は「風呂がとにかく気持ちよかった。感謝、感謝です」と顔をほころばせた。
宇城市の会社員女性(42)は父親と2人の娘と共に訪れた。自宅は断水中で、食料や風呂を求めて避難所に通っているという。「食事で野菜が取れたのがありがたい。下の7歳の娘は笑顔でハンバーグをほおばっていた」と振り返った。
防衛省によると、宿泊支援に先駆け、5日から船内で実施した入浴支援では、八代市や氷川町、宇城市で断水が続く中、13日までに約400人が利用したという。
同省の担当者は「全ての生活支援をワンパッケージにして提供できることに大きな意義がある」と説明。「関係省庁と連携し、県の要望を実行に移していきたい」と話した。
【時事通信社】
〔写真説明〕被災者支援のため八代港に停泊している大型フェリー「はくおうⅡ」=13日、熊本県八代市
〔写真説明〕被災者支援のため八代港に停泊している大型フェリー「はくおうⅡ」の大浴場=13日、熊本県八代市
〔写真説明〕被災者らが泊まる大型フェリー「はくおうⅡ」の洋室=13日、熊本県八代市
〔写真説明〕八代港で入浴支援などを行う大型フェリー「はくおうⅡ」内に飾られた被災者からのメッセージ=13日、熊本県八代市
2026年08月17日 14時32分