食品メーカー、米国に積極投資=日本食浸透、訪日客増も追い風



【シカゴ時事】日本の食品メーカーが、米国での工場新設や増設など投資を加速している。人口減少が進む日本の食品市場は縮小が見込まれ、各社は今後も成長が期待できる海外に活路を見いだしつつある。日本食ブームに加え、日本を訪れる米国人観光客は増加が続いており、旅行者の「帰国後消費」も追い風となっている。

現在も人口増加が続く米国は、市場として高い魅力を持つ。米商務省の統計によると、日本からの食品分野への投資残高は2025年末時点で81億9500万ドル(約1兆2800億円)と10年前の約2.5倍に拡大した。

国内しょうゆメーカー最大手のキッコーマンは1973年に米国製の出荷を開始。しょうゆをアレンジした「テリヤキ」用ソースの販売やレシピ開発など地道な活動で需要を開拓し、米家庭用しょうゆ市場のシェア首位を独走する。

17日に米国で記者団の取材に応じた茂木友三郎名誉会長は「米国料理にしょうゆが合ったし、合うようなレシピを開発した。一番重要なのは需要の創造だ」と振り返った。

同社の26年3月期連結業績では、売上高7455億円のうち海外事業が78%を占め、事業利益に至っては90%に達する。米国では3カ所目のしょうゆ工場をウィスコンシン州に建設し、10月から出荷を始める。米国での生産能力は36年ごろに約1.4倍となる見通しだ。

キノコ生産大手ホクトは28年度中に第2工場の稼働を目指す。日本食ブームや健康志向の高まりで消費の裾野が広がっており、競合も少なく成長が見込めると判断した。「品質が高く評価され、キノコ1パックが4~6ドル(600~900円程度)の高値で売れる」(広報)という。

日本の菓子ブランドも浸透しつつある。森永製菓は「HI―CHEW(ハイチュウ)」の供給強化に向け、200億円程度を投じて第2工場を新設。10月から稼働する。明治もチョコレートスナック菓子「ハローパンダ」の生産ラインを増設し、米国での売り上げを30年度までに24年度比で約2倍に伸ばす計画だ。

米国人の訪日観光客数は順調に増加しており、25年は前年比約22.9%増の約311万人だった。

日本貿易振興機構(ジェトロ)米州課は、「滞在中に親しんだ日本食を帰国後も求める好循環が出来上がった」と分析しており、日本からの投資は今後も続きそうだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕キッコーマンの米国第3工場=18日、米ウィスコンシン州ジェファーソン

2026年09月21日 08時03分


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