日独首脳、経済安保で共同宣言=防衛・AIで協力拡大―メルツ氏、戦闘機開発参画に意欲



高市早苗首相は28日、ドイツのメルツ首相と首相官邸で会談した。覇権主義的な行動を強める中国や、ウクライナ侵攻を続けるロシアの動向について協議し、経済・防衛分野の協力拡大を確認。人工知能(AI)など先端科学技術協力と経済安全保障に関する首脳宣言をまとめた。

高市氏は共同記者発表で「欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分だ」と強調。メルツ氏は「日独は利益と価値観を共有しており、力を合わせれば大国に好き勝手をさせないようにできる」と述べ、国際秩序を揺るがす米国や中ロの動きを念頭に連携して対応する考えを示した。

安保協力を巡り、高市氏は「部隊間協力の深化に役立つ機会や枠組みの検討、相互補完が可能な防衛産業分野の協力を推進する」と語った。メルツ氏は「戦闘機製造で協力の可能性を検討したい」と話し、日英伊3カ国による「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」に参画する意欲を表明した。

両首脳は中国による重要鉱物や半導体の輸出規制を念頭に、戦略物資のサプライチェーン(供給網)強化で一致。AIハイレベル対話の立ち上げで合意した。メルツ氏は高市氏に来年のベルリン訪問を招請した。

両首脳はインド太平洋、ウクライナ情勢を巡っても意見交換。メルツ氏は台湾海峡での緊張の高まりに懸念を示した上で「国連憲章の武力行使禁止原則が適用される」として関係国・地域に慎重な行動を求めた。

一方、高市氏は共同記者発表で「産業支援策について、双方の利益が互恵的に考慮される重要性を確認した」と述べた。欧州連合(EU)が検討する独仏主導の「欧州製」自動車優遇策の対象から日本が外れたことが念頭にあるとみられる。

ドイツは貿易面で米国・中国依存からの脱却を目指しており、日本との関係強化を図りたい考えだ。約30人の企業幹部がメルツ氏に同行し、核融合などの先端分野で、官民や企業間で計33件の覚書に署名した。

両首脳は会談後、夕食を共にした。メルツ氏の訪日は昨年5月の就任後初めてで、高市氏との会談は昨年11月以来。

【時事通信社】 〔写真説明〕共同記者発表を終え、握手する高市早苗首相(右)とドイツのメルツ首相=28日午後、首相官邸 〔写真説明〕ドイツのメルツ首相(左手前から2人目)との会談に臨む高市早苗首相(右手前から2人目)=28日午後、首相官邸 〔写真説明〕ドイツのメルツ首相(左)と握手する高市早苗首相=28日午後、首相官邸

2026年10月28日 21時13分


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