【ワシントン時事】バイデン米大統領は27日、地球温暖化問題を米国の外交と国家安全保障の柱に据えるとした大統領令に署名した。温暖化対策は大国間の主導権争いの手段として重みを増しており、温室効果ガス排出削減に向けた取り組みを指揮する狙い。4月22日に主要国・地域による首脳会議(サミット)を主催する計画も発表した。
バイデン氏は記者会見で、気候変動を「安全保障上の脅威」だとした上で、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に復帰して「世界を主導していく」と表明した。米国は中国に次ぐ世界2位の温室ガス排出大国。同氏は、脱炭素産業やクリーンエネルギー技術への投資に強い意欲を示しており、環境分野でも米中の大国間競争が激化しそうだ。
大統領令は、先進7カ国(G7)、20カ国・地域(G20)などの会議で温暖化対策の強化を各国に求めていくと明記。米国は4月のサミットまでに、パリ協定に従って2030年の温室ガス削減目標を策定する。バイデン氏は日本や欧州と同様に、50年までに国内の排出実質ゼロを目指す考えだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕米大統領令に署名するバイデン氏=27日、ワシントン(EPA時事)
2021年01月28日 07時39分