
公正取引委員会は24日、アニメや映画の制作現場での取引環境に関する実態調査を公表した。その結果、発注元の製作委員会側が、発注先の制作会社に追加費用を支払わない事例が複数判明。制作期間が延びた場合や、撮影のやり直しを行わせた際の追加費用を不当に支払わない行為は、下請法違反の恐れがあるとの見解を示した。
また、製作委員会が優越的地位を利用し、正当な理由なく発注先との契約条件を一方的に変更することなどが独禁法上問題になるとも指摘。公取委は今後、是正に向けた指針を策定する。
報告書によると、アニメの制作会社からは「追加予算が出ても、損失分の一部補填(ほてん)であり、会社としては赤字となる」といった声が寄せられた。
〔写真説明〕公正取引委員会=東京都千代田区
2025年12月24日 20時52分