米経済、成長底堅く=大型減税押し上げ―リスクは格差拡大・26年展望



【ニューヨーク時事】2026年の米経済は、底堅い成長が見込まれる。トランプ政権肝煎りの大型減税に加え、ハイテク企業による人工知能(AI)関連投資の拡大が寄与。高関税政策が経済に及ぼす影響は「想定よりも控えめ」(米連邦準備制度理事会=FRB=高官)との楽観論も漂う。

ただ、株高に沸く富裕層と、物価高にあえぐ低所得者層の格差拡大が影を落とす。二極化がさらに進めば、実体経済に打撃を与える恐れもある。

大型減税が効果を発揮し、国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費や、設備投資の拡大を通じた景気浮揚への期待感が強い。米国野村証券の雨宮愛知シニアエコノミストは大型減税が26年の経済成長を「0.3~0.4%ほど押し上げる」とみる。

金融大手ゴールドマン・サックスは成長率が2.0~2.5%に加速すると推計した。大型減税や、関税による値上げの収束などが好材料だと指摘。インフレ率は、FRBが目標とする2%に向かって次第に低下すると分析した。

一方、リスク要因の一つは格差拡大だ。株高による保有資産拡大や、高い賃金上昇率を追い風に富裕層が消費をけん引する半面、低所得者層は賃上げが十分でないため、家計のやりくりに苦慮。大型減税は富裕層の方が恩恵を受けるとされており、さらなる格差の助長が懸念される。

労働市場が弱含む中、FRB高官は「雇用がさらに悪化すれば低所得者層には痛手となり、経済にマイナスの影響を及ぼす」と警戒する。

トランプ政権が導入したほぼ全ての貿易相手国・地域を対象とした相互関税の動向も焦点。相互関税の合法性に関する最高裁の判決次第では、看板政策が軌道修正に追い込まれ、財政赤字の膨張や金融市場の混乱など副作用が生じる可能性がある。

英金融大手バークレイズは、巨額AI投資を巡る企業の財務悪化などでブームが失速した場合、「米経済は脆弱(ぜいじゃく)になる」と警鐘を鳴らした。

〔写真説明〕ホワイトハウスで大型減税関連法に署名したトランプ米大統領(中央)=2025年7月4日(AFP時事)

2026年01月01日 07時04分


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