米金融界、カード金利上限に反発=トランプ氏要求、中間選挙意識か



【ニューヨーク時事】トランプ米大統領が要求したクレジットカード金利の上限設定に対し、金融界が反発を強めている。今秋に控える中間選挙で物価高対策が焦点となる中、トランプ氏はインフレに苦しむ中・低所得層の取り込みを狙う。実現可能性に疑問符が付くものの、金融機関は事業見直しを迫られかねず、「消費に甚大な影響が生じる」(金融大手シティグループ)と警戒感が広がる。

連邦準備制度理事会(FRB)によると、足元のカード金利は平均20%超と高止まり状態が続く。トランプ氏は9日、SNSへの投稿で、カード会社が米市民を搾取していると断じ、「20日から1年間、カード金利の上限を10%にすることを求めている」と宣言した。

銀行はトランプ氏の要求に身構える。バンク・オブ・アメリカのモイニハン最高経営責任者(CEO)は「カードを入手できる人が減る」と懸念を表明。JPモルガン・チェースのダイモンCEOは「追加的なリスクを考慮し、(経営)モデルを修正せざるを得ない。これは劇的だ」と警戒感を示した。

金融機関などで構成する業界団体は、金利上限の導入で最大1億9000万人がカードを失うと試算する。審査基準などが厳しくなるとみられる。国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費が失速し、経済の冷え込みは避けられない。トランプ氏の投稿後、米株式市場では金融株が下落している。

FRBなどによると、低所得者のカード延滞率は16%と、信用力が高い層の1%を大幅に上回る。トランプ政権の高関税政策が重くのしかかり、低所得者の金融環境は悪化。トランプ氏は相互関税の一部見直しなど、格差拡大の抑制に向けた対策を矢継ぎ早に打ち出している。

ただ、カード金利の制限は議会での法案通過が必要で、「実現のハードルが高い」(銀行担当アナリスト)のが実情だ。

〔写真説明〕トランプ米大統領=9日、ワシントン(AFP時事)

2026年01月16日 12時36分


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