所得再分配が不十分=富裕層の税負担軽い―トランプ政権1年で米専門家



【ワシントン時事】米有力シンクタンク、ブルッキングス研究所の専門家は、米国で「アフォーダビリティー(暮らしやすさ)」を巡る状況が「徐々に悪化している」と述べ、危機感をあらわにした。背景には、富裕層の負担が軽い税制や、格差是正につながる所得再分配の不十分さがあると指摘した。

ブルッキングスのアンドレ・ペリー上級研究員とハンナ・スティーブンス上級調査アシスタントはこのほど公表したリポートで、「暮らしやすさ」について、家計収入が生活費全体と同等かそれ以上ある場合と定義。全米160の都市部で、中間層の少なくとも20%が生活にゆとりがないと分析した。

ペリー氏は、経済格差に起因する暮らしやすさの危機が「近年のどの政権にも責任を押し付けられない」と説明。理由として「民主、共和の2大政党とも、高所得層への税負担軽減を進めてきた」ことを挙げた。その上で、暮らしやすさの実現には「ある時点で所得再分配について議論する必要が出てくる」と述べた。

スティーブンス氏は、住居や交通機関、医療、保育などが「米国では誰もがアクセスできる公共財ではない」と強調。これらの分野で個人負担が大きいことを問題視した。

同氏は、暮らしやすさの危機に対処するには「税制や妥当な賃金に関する真剣な協議」が求められると提言。生活コストに見合った収入を得られるよう、最低賃金の引き上げや労組加入率の向上などが必要との見解を示した。

〔写真説明〕米国の住宅所有コスト高騰で売りに出される家=2025年9月、西部カリフォルニア州ロサンゼルス(EPA時事) 〔写真説明〕インタビューに答える米ブルッキングス研究所のアンドレ・ペリー上級研究員(左)とハンナ・スティーブンス上級調査アシスタント=8日、ワシントン市内

2026年01月18日 07時02分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース