
【シリコンバレー時事】米アップルが1日、創業50周年を迎えた。2011年に死去した故スティーブ・ジョブズ氏らが興した同社は、「シンク・ディファレント(違った視点で考えよう)」の理念の下、今日のデジタル社会の在り方を規定する革新的な製品を世に送り出してきた。出遅れも指摘される中、人工知能(AI)時代を切り開く次の一手を打ち出せるか、注目が集まる。
1976年4月1日に創業したアップルは、初の製品であるコンピューター「アップル・ワン」を手始めに、マウスとキーボードによる操作を広めた「マッキントッシュ」(84年)などを送り出し、デジタル技術の普及に貢献。一方、社内対立によるジョブズ氏の退社や、マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の台頭などを受け、90年代には深刻な業績不振に陥った。
アップルに復帰し、97年に暫定最高経営責任者(CEO)に就任したジョブズ氏は、音楽の楽しみ方を変えた携帯プレーヤー「iPod(アイポッド)」(2001年)などヒット製品を次々投入。07年に発表したスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」は、25年に累計出荷台数が30億台を突破した。
クックCEOは3月に公開した50周年を祝うメッセージで、同社の革新が「『世界は違った視点で考える人たちによって前進する』との理念に導かれた」と強調した。
アップルは22年に世界で初めて時価総額3兆ドル(約480兆円)を突破したが、昨年の4兆ドル(約630兆円)突破は、AIブームに乗った半導体大手エヌビディアとマイクロソフトに続く3番手だった。プライバシー重視の理念から慎重に開発を進めているとの評価もあるが、消費者が期待するような革新的なAI製品はまだ打ち出せていない。
米メディアによれば、アップルは6月の年次開発者会議でAIシステム「アップルインテリジェンス」の新機能を発表する見通しだ。AIを組み込んだペンダント型端末などの開発にも取り組んでいるという。世界が最適なAI利用の在り方を模索する中、51年目の「違った視点」が期待される。
〔写真説明〕米アップルの創業50周年を祝うイベントで、大型スクリーンに映し出された同社のロゴ=3月25日、ロンドン(AFP時事)
2026年04月02日 18時18分