豪、住宅投資で実質増税=投機抑制、「公約破り」に賛否



【シドニー時事】オーストラリア政府は、住宅投資税制で実質増税となる見直し策を打ち出した。与党・労働党は昨年5月の総選挙時に「変更しない」と公約していたが、深刻な住宅不足を踏まえ、投機的な所有を抑えようと方針転換した。投資家らは反発し、保守系野党は「公約を破った」と厳しく批判。効果を疑問視する声も出ている。

労働党政権が12日に発表した方針では、住宅の債務返済や維持管理で損失が生じた場合に所得税を軽減する制度を、来年7月から新築物件に限定。住宅売却益への課税も強化する。富裕層を中心に投資目的の住宅購入が増えて価格が上昇し、若者が家を持ちづらくなったことに対応した。

アルバニージー首相は「今、行動を起こさなければ若い世代は機会を失う」と主張。政策の変更で、今後10年間に7万5000人が住宅を購入できるとの試算を示した。公約を翻したことに関し、与党支持層の間では「嵐が来たから旅行をやめるのと同じ」と賛成意見が根強い。

一方、従来の税制を前提に住宅購入を計画していた人は「不意打ちだ」と困惑。ある会社経営者は「税収増が政府の真の狙いだ。若者の税負担も結局重くなる」と指摘する。中道右派の野党・保守連合は「公約違反」を追及し、極右政党ワンネーション党は「まるで共産主義だ」と断じた。

今回の実質増税は、かえって住宅不足に拍車を掛ける恐れもある。シドニーの不動産業者は「増税で投資が鈍れば供給も滞り、また価格が上がる。若者支援の目的と政策がかみ合っていない」と話している。

〔写真説明〕オーストラリア南東部メルボルン郊外で、住宅を建設する作業員ら=2022年6月(AFP時事)

2026年05月17日 07時06分


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