
日本政府が、米新興企業アンソロピックの「クロード・ミュトス」など、飛躍的な進化を遂げた最新の人工知能(AI)モデルへの対策の議論を急いでいる。重要インフラなどへのサイバー攻撃に悪用されれば、国民生活に重大な影響を及ぼしかねない。各国も懸念を強めており、18日にフランス・パリで開幕した先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議でも議題に上る見通しだ。
ミュトスはアンソロピックが4月に発表した、新型のAIモデル。システムの脆弱(ぜいじゃく)性を発見する能力が高いとされ、サイバー攻撃への悪用が懸念される。
政府はこれまで、各省庁と民間が連携しつつ対策を急いできた。14日には金融庁が、日銀や金融業界の関係者らと官民で対応強化を議論する作業部会を開催。経済産業省も1日、電力やガス事業者にIT機器やシステムの緊急点検を要請した。サイバー防御体制を強化するため、日本政府や3メガバンクは、ミュトスへのアクセス権取得に向けた調整を進めている。
こうした取り組みを反映し、18日の関係省庁会議で、政府としての対応策がまとまった。重要インフラ事業者や政府機関などに対し、危険性の評価やリスク緩和対策を求めることが柱だ。松本尚サイバー安全保障担当相は15日の記者会見で「米政府やアンソロピックなどと情報をやりとりし、対策の準備をしてきた」と述べており、議論を踏まえた対策を早急に実行する構えだ。
〔写真説明〕スマートフォンに表示された米新興企業アンソロピックのロゴマーク(AFP時事)
2026年05月19日 07時20分