
中東情勢の緊迫化が身近な食品にも影響を及ぼし始めた。ナフサ由来のインクなどの調達不安を受けてカルビーやカゴメが商品パッケージを相次いで変更し、商品の販売休止を余儀なくされるケースも現れた。政府は石油関連製品について「日本全体として必要な量は確保できている」との説明を崩していないが、企業側は商品の安定供給を維持するため苦肉の策を強いられている。
カルビーは今月下旬から、ポテトチップスの「うすしお味」など14品の包装を白黒に切り替える。新デザインでは長年親しまれたジャガイモのキャラクターも削除。印刷面を減らしてインクを節約する。同社は「インクや溶剤が品薄になっている訳ではないが、供給が不安定になるリスクに備える」(広報)と話す。
カゴメも主力商品「カゴメトマトケチャップ」の外装パッケージの大部分を透明なデザインに改める。日清製粉ウェルナ(東京)は、パスタや乾麺を束ねるテープへのゆで時間などの記載を取りやめ、無地にする。親会社の日清製粉グループ本社は「状況次第で、包材変更や商品数の集約も選択肢になり得る」(広報)と身構える。
原油から精製されるナフサは、インク原料の有機溶剤を含むさまざまな石油関連製品の原料になる。印刷インキ工業会の武井真一専務理事は「原料が足りないということはない」と説明する。ただ、ナフサ不足への懸念から在庫確保を急ぐ食品メーカーなどが増えており、かえって調達不安に拍車を掛ける事態に陥っている。
影響はデザイン以外にも広がる。ミツカンは今月に入り、容器や包装資材の供給不安を受けて納豆商品の4品目の販売を休止した。宅配弁当を手掛ける外食大手ワタミは、容器のふたをはがせるフィルムタイプに順次切り替え、プラスチックの使用量を抑えて節約に努める方針だ。
【時事通信社】
〔写真説明〕カルビーが包装を白黒に切り替えて販売する「ポテトチップス
うすしお味」(同社提供)
〔写真説明〕日清製粉ウェルナの、パスタを束ねるシールの変更前(写真左)と変更後(同社提供)
2026年05月19日 07時27分