
高市政権が目指す2年間の食料品消費税減税を巡り、売り上げ減少などが懸念される外食産業や農業者を補助金で支援する構想が浮上している。ただ、減税で目減りする年4兆円超の税収の代替財源確保にめどが立たない中、財政支出がさらに膨らめば赤字国債増発につながりかねず、検討は難航も予想される。
食料品の消費税減税は、来年4月から税率を8%から1%へ引き下げる案が有力。しかし、外食業界では弁当や総菜などとの税率差が広がるため、客離れへの懸念が広がる。また、消費税の納税を免除されている小規模の農業・漁業者は減税になれば手元に残る消費税相当分が減ってしまう上、外部から仕入れる肥料や農機具には引き続き10%の消費税がかかるため、経営に影響が出ると危惧する声が多い。
このため政府・与党内には、来年4月に減税を行う場合、補助金で支援する必要があるとの見方が出ている。
ただ、財源確保は容易ではない。減税の代替財源は歳出改革や税外収入などで賄う方針だが、具体的なめどは立っていないのが現状だ。さらに、レジのシステム改修費を補助するため、今秋には再び補正予算を組む必要があると指摘する声もある。
5日成立した今回の補正予算は、税収増などで前年度の赤字国債発行予定額を縮小できる分を財源に充て、赤字国債増発に事実上頼らない形で編成した。ただ、当初ベースで28年ぶりに黒字化を見込んでいた基礎的財政収支(プライマリーバランス)が赤字に転落。与党内からは、次に補正予算を組む場合、「赤字国債に頼らずに済むかどうか誰もわかっていない」との声も漏れる。
〔写真説明〕外食業界では弁当や総菜などとの税率差拡大が懸念されている=資料写真(AFP時事)
2026年06月06日 09時37分