排ガス抑制区域、効果限定的?=「バイク社会」ベトナムで試行へ



【ハノイ時事】「バイク社会」として知られるベトナムの首都ハノイで7月、大気汚染の改善を目的に、車両からの排ガスを抑制する「低排出ゾーン」の試行が始まる。市民の懸念の声などを受け、年内の試行では、2025年の当初方針から対象エリアを大幅に縮小し、市中心部の一部で主に週末の車両乗り入れを制限。既存の歩行者天国と時間帯や区域がほぼ重なっており、当面は市民生活への影響も排ガス抑制効果も限られそうだ。

ハノイの大気汚染は年々深刻化し、バイクなどの排ガスが要因の一つとされてきた。25年7月、当時のファム・ミン・チン首相は、首都中核エリアとなる環状道路1号線内でガソリンバイクの走行を禁止する方針を表明。対象エリアは26平方キロ余りで、ハノイ市が具体的な制度設計を進めてきた。

この方針は、ホンダなど日系企業が大きなシェアを占める地元バイク業界に衝撃を与えた。日系企業や業界団体は、環境を配慮する必要性に大筋で理解を示しつつも、慎重な対応を働き掛けてきた。電動バイクへの切り替えに伴う金銭的負担など市民の懸念もあり、日本の関係者からは「市民生活や企業活動の実態を反映したロードマップ(工程表)が不可欠だ」との声が聞かれた。

地元メディアなどによると、最終的に市人民評議会(市議会に相当)が承認したのは、0.5平方キロほどの区域へのガソリンバイクを含む車両の乗り入れ禁止。その周辺でのガソリンバイク走行を控えるよう「奨励」している。今回の試行を巡っては、現実的な路線で折り合いがついたとの見方も出ている。

市は規制内容を調整しつつ、27年以降に低排出ゾーンを段階的に環状道路1号線内全域に拡大することを想定するが、実施までに再び紆余(うよ)曲折を経る可能性もある。

〔写真説明〕ハノイ市内を走行するバイク=5月28日

2026年06月29日 08時02分


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