
自民党が目指す国民民主党の連立政権入りの構想が不透明となっている。高市早苗首相(自民総裁)が「悲願」とする消費税減税と、日本維新の会が重視する衆院定数削減にいずれも国民民主が反対し、政策面で溝が拡大しているためだ。国会の与野党対立も相まって、混迷が深まる可能性もある。
「高市官邸が定数削減などを通そうと力業でやった結果、国会が不正常化している」。国民民主の玉木雄一郎代表は28日、地元の香川県東かがわ市で開いた国政報告会で、首相の国会運営を批判した。
自民、維新の与党は参院で過半数(124)に4議席足りない。国民民主が連立に参加すれば政権安定につながるため、自民側は繰り返し秋波を送っている。25日夜には、連立構想を主導する自民の麻生太郎副総裁、鈴木俊一幹事長、萩生田光一幹事長代行が、国民民主の玉木氏、榛葉賀津也幹事長、古川元久代表代行と東京都内で会食。連立拡大を巡り意見を交わし、国民民主側は消費減税と定数削減法案を課題に挙げたという。
自民は2月の衆院選で、2年間限定の食料品消費税ゼロを公約に掲げ、首相が意欲を示す。今月17日の社会保障国民会議の実務者会議で「実質ゼロ」案が示されたのも首相方針に沿ったものだ。
これに対し国民民主は、減税期間が終われば「増税」になることを問題視。住民・所得税の減税と給付を行うべきだと主張する。党幹部は「(首相が)消費減税案に固執するなら連立は組めない」と言い切った。
維新が優先政策とする定数削減にも、国民民主は「与党が有利になる削減案だ」と猛反発する。与党提出の法案は、与野党協議会で選挙制度改革の結論が出なければ比例代表の定数を45削減する内容。国民民主は衆院議員28人のうち20人が比例選出のため死活問題となる。
与党は法案の29日審議入りの日程を野党抜きで決めた。国民民主を含む野党各党は反発し、衆院で一切の審議を拒否する事態に発展。国民民主幹部は「連立以前の以前の以前の話だ」と吐き捨てるように言った。
首相は17日の記者会見で、国民民主の連立政権入りについて「必要な対応は常に考えている」と含みを残した。ただ、首相にとっては維新との関係維持が大前提。2026年度予算に反対した玉木氏への不信感もあるとされ、党首間の距離は縮まっていない。
【時事通信社】
〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=26日、東京・永田町
〔写真説明〕国民民主党代議士会であいさつする玉木雄一郎代表=26日、国会内
〔写真説明〕地元の香川県東かがわ市で開催した自身の国政報告会で支援者らに演説する国民民主党の玉木雄一郎代表=28日午後
2026年06月29日 07時12分