
鹿島の桐生雅文社長は29日までにインタビューに応じ、大規模再開発の中止や遅延が各地で相次いでいることに関し「発注者の予算と工事費に乖離(かいり)がある」との認識を示した。背景には「労働力不足による工事費の上昇や材料の高騰」があると指摘。受注側の建設会社と発注側の不動産会社では「利害関係が異なる」ものの、「共に解決しなければいけない」と強調した。
具体的には、設計変更などを通じて、商品価値を維持しつつコストを削減できる方法を発注側に積極的に提案し、双方で解決策を探っていく考え。「価格転嫁も大事だが、われわれも努力しなければならない」と述べた。
中東紛争による建設資材などの供給混乱の影響については、「工事の中止はなかった」と説明。一方、中東依存リスクが顕在化した今回の事案を契機に資材の調達先をさらに多角化する意向を示した。「建設コスト上昇対策の一つになるかもしれない」と述べ、取り組みを進める考えだ。
人手不足への対応では、人工知能(AI)などのデジタル技術の活用を加速させる。また、人材確保のためにも、処遇を改善する必要性を強調。協力会社への工事代金の支払いの早期化なども進めており、「少しでもいい賃金が払えるよう考えている」と語った。
〔写真説明〕インタビューに答える鹿島建設の桐生雅文社長=15日、東京都港区
〔写真説明〕インタビューに答える鹿島建設の桐生雅文社長=15日、東京都港区
2026年06月29日 16時00分