効果は「ほぼなし」=木内登英・元日銀審議委員―「マイナス金利」当事者に聞く



―マイナス金利導入時の状況は。

日銀は2%の物価目標を達成できず、政策はかなり行き詰まっていた。起死回生策として予想もしなかったような政策が打ち出された。

―導入に反対した理由は。

日銀の国債買い入れ政策と整合的ではない。日銀当座預金の一部にマイナス金利を適用すると、銀行にとって国債を日銀当座預金と交換する条件が悪化し、国債を日銀に売る動機が弱まる。流動性が低下して国債市場を混乱させる可能性もあった。また、銀行収益を悪化させることも大きなマイナス面だった。

―政策の効果は。

プラスの効果はほぼなかった。マイナス金利は銀行間の資金取引に使う当座預金がマイナスとなり、預金や企業向け貸出金利はプラスのままだった。経済全体では劇的な変化ではなく、わずかに金利が下がったにすぎず、貸し出しの増加率はほぼ変わらなかった。

―副作用は。

銀行収益が非常に厳しくなった。導入していなければここまでの円安にはなっていなかったかもしれないし、マイナス金利まで踏み込まずにもっと早めに金利を上げていれば、物価高もここまで進まなかったと思う。

―導入時は市場へのサプライズを狙った。

サプライズ戦略を狙ったが大きな失敗となり、日銀のコミュニケーション政策を変えるきっかけになった。為替介入とは異なり、金融政策のサプライズで市場を動かすというのは変動を大きくするマイナス面が大きい。

〔写真説明〕インタビューに答える野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミスト=13日、東京都千代田区

2026年07月16日 07時05分


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