
北陸新幹線の延伸を検討してきた自民党と日本維新の会は15日、現行計画「小浜・京都ルート」2案のうち、京都駅から約5キロ離れた「桂川案」を採用した。維新の提案で8ルートに増やし再検討したものの、結局、現行計画に落ち着いた。ただ、建設には巨額の財政負担が伴い、環境への懸念もあることから慎重論は根強く、着工に必要な地元同意が得られるかどうかは不透明だ。
小浜・京都ルートは、全線開業による利益を整備費用で割った「費用対効果」が他の7ルートより高く、決め手の一つとなった。小浜・京都はさらに桂川案と、京都駅の地下を通る「南北案」に分かれるが、与党は京都駅から少し離れた桂川案の方が環境面などで地元理解が得やすいと判断。大阪府の吉村洋文知事は「桂川案は妥当な判断だ」と評価した。
そもそも小浜・京都は2016年、当時与党だった自民、公明両党が決定していた。しかし、詳細ルートを選定する過程で、当初想定していた2兆1000億円から最大で5兆円超に膨らむと判明。京都府・市が多額の地方負担に懸念を示し、24年末、詳細ルートの決定が先送りされた。
25年には連立政権入りした維新の提案で、小浜・京都に7ルートを加えて再検討することに。京都市の松井孝治市長は先月、財政負担や工事に伴う地下水、歴史的建造物への影響など五つの懸念を挙げ「受け入れられると簡単には言えない」と慎重姿勢を鮮明にしていた。
決定に際し、与党整備委員会はJRが支払う「貸付料」の拡充や、国と地方の建設費負担割合の見直しなど、沿線自治体の負担軽減策を提示した。ただ、京都府の西脇隆俊知事は15日、桂川案への賛否について「全く白紙」と述べるにとどめた。
一方、選定から漏れたルートの沿線自治体からは「期待した再検証とは程遠い」などと不満の声が出ている。小浜・京都を前提とした「出来レース」と批判していた京都府亀岡市の桂川孝裕市長は決定後、「関係各所に拭い去れない不信感を残してしまうのではないか」とコメントした。
【時事通信社】
〔写真説明〕北陸新幹線
2026年07月16日 07時52分