
投資先に資本構成やガバナンス(企業統治)改善を積極的に促し、株価を上げてリターンを得るアクティビスト(物言う株主)の存在感が高まっている。株主総会での提案は常態化し、業界再編の促進や経営陣の不正追及も目立つが、「行き過ぎた権利の乱用」に規制を求める声も強い。
株主総会が集中した6月、アクティビストの提案は140議案近くと過去最高となった。中でも米投資ファンドのダルトン・インベストメンツは20社超に提案。昨年フジ・メディア・ホールディングスとの対立で注目され、今年は文化シヤッターやあすか製薬などに社外取締役選任を求めた。
グループのダルトン・アドバイザリーの西田真澄マネージング・ディレクターは「ガバナンスなどの問題を公にして議論を起こすのが目的だ」と狙いを語る。
米投資ファンドのカナメ・キャピタルは、フクダ電子前会長による経費の不正利用を追及、辞任に追い込んだ。槙野尚パートナーは「会社の実態は何も変わっていない」として今後も経営改革を求める方針。ストラテジックキャピタル(東京)の加藤楠副社長は「上場しているなら少数株主の利益を考えるべきだ。それができないなら公開市場にいるべきではない」と言い切る。
自民党は今月、会社法改正を見据えてアクティビスト対策を強化する提言をまとめた。株主提案権などの要件厳格化が柱だ。プロジェクトチームの根本拓衆院議員は、不採算事業の売却や経営者による資産私物化の是正など、アクティビストの役割を評価する一方、「株主権利の乱用や法的公正性が疑われるケースもある」と指摘する。
三菱UFJ信託銀行の末永祐貴調査役は、取締役選任案が増えているとして、「企業は(取締役の能力を一覧で示す)『スキルマトリックス』の開示のみにとどまらず、自社の経営方針・事業戦略などに合致しているか恒常的に検証する必要性が増している」と強調している。
〔写真説明〕ダルトン・アドバイザリーの西田真澄マネージング・ディレクター(同社提供)
2026年07月26日 07時01分