
外国為替市場で、約39年半ぶりの水準にある円安の進行が止まらない。政府・日銀による再度の為替介入への警戒がくすぶる中、片山さつき財務相は「口先介入」を繰り返すが、市場の反応は薄い。為替介入の効果は限定的なため、通貨当局は手詰まり状態に陥っているとの見方もある。
「私たちの姿勢は全く変わっていない。必要があれば果断に行動する」。片山氏は23日午前、介入も辞さない姿勢を改めて示した。ただ、円売り圧力は弱まらず、同日夕には1ドル=163円台半ばまで下落。「発言のトーンは強くなく、市場に恐怖感を与えていない」(FX会社)という。
政府・日銀は4~5月の大型連休中に過去最大の円買い・ドル売り介入を実施。円相場は160円台から一時155円台に急伸した。
しかし、介入効果は長続きせず、6月上旬には160円台に再び下落。さらに、高市政権が6月末に経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」の原案を示すと、財政悪化と日銀の利上げの遅れを懸念した「骨太ショック」で、円安は一段と加速した。
前回の介入時には、片山氏が直前に「いよいよ断固たる措置を取るタイミングが近づいている」と警告。三村淳財務官も「最後の退避勧告だ」と介入を「予告」した。だが、財務官は現在、コメントを控えるなど、介入に向けたけん制トーンは高まっていない。
このため、政府・日銀が次に円安阻止に動く場合は「不意打ち介入」になるとの見方がある。ただ、足元の円安進行には、中東情勢の緊迫による「有事のドル買い」に加え、原油価格高騰による貿易赤字拡大やインフレへの懸念、高市政権が志向する財政拡張や緩和的な金融環境などさまざまな要因が絡み合う。市場では、こうした円安要因が変わらなければ「介入だけでトレンドを転換するのは難しい」(大手証券)との声が聞かれる。
【時事通信社】
〔写真説明〕記者団の取材に応じる片山さつき財務相=23日、財務省
2026年07月24日 07時41分