米、金利急上昇に危機感=日本発の市場混乱も警戒



【バンコク時事】トランプ米政権が長期金利の急上昇に危機感を募らせている。住宅ローン金利の押し上げを招いて家計の重しとなり、11月の中間選挙の逆風になりかねないためだ。ベセント財務長官は、止まらぬ金利上昇への不安払拭に努めており、歴史的な高水準にある日本の金利動向が米市場へ波及する事態にも警戒感を示す。

「私に債券市場はコントロールできない。できるのは、人々にいったん立ち止まって考えてもらうことだ」。ベセント氏は今月、米メディアのインタビューでこう語った。

中東情勢悪化による原油価格高止まりに伴う根強いインフレへの懸念から、米10年物国債利回りは1日、一時5.34%に上昇し、24年ぶりの高水準を付けた。人工知能(AI)関連の投資ブームを背景とした、AI関連企業の旺盛な起債も米国債売りを助長し、金利上昇圧力が強まっている。

連邦住宅貸付抵当公社が8日発表した、住宅ローンの30年物固定型金利は7.4%と約3年ぶりの高水準となった。家計の負担感は増すばかりだ。

高金利への懸念打ち消しに走るのがベセント氏だ。7日にはホワイトハウスで記者団に、金利上昇は米経済成長の強さを市場が織り込んでいるためだと主張。「イラン紛争が終結すれば、住宅ローン金利なども再び下がる」と強調した。

ただ、米国にとって無視できないのが、長期金利が約30年ぶりの高水準に達した日本の動向だ。ベセント氏は円安・債券安という「日本売り」が米国債売りを増幅させることを懸念。7月末には、日本の通貨当局とともに28年ぶりの円買い協調介入に踏み切った。その後も円安是正を促す発言を繰り返している。

15日には、タイ・バンコクで20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。中間選挙を前に、金利高への対応の切迫度が高まる中、米側の発信が焦点となりそうだ。

〔写真説明〕米国のベセント財務長官(左)とトランプ大統領=7日、ワシントン(EPA時事)

2026年10月12日 12時35分


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