
【北京時事】中国の7~9月期の実質GDP(国内総生産)は、前年同期比4.5%増と、前期の4.3%増から小幅に上向いた。世界的な人工知能(AI)需要の拡大が輸出を過去最大級に押し上げ、内需の弱さを外需で補う構図が鮮明になった。ただ、貿易摩擦の逆風も強まり、成長の持続性には疑問符が付く。
1~9月累計は4.6%増となり、通年の政府目標「4.5~5.0%」は下限達成が視野に入るが、楽観できない。ハイテク製造業が14.3%増と好調な一方、不振が続く不動産開発投資は20.6%減と落ち込みが拡大した。
景気対策の余地は限られる。政府系シンクタンクの国家金融発展実験室によると、政府・企業・家計の債務残高はGDPの3倍を超えた。債務膨張への警戒もあり、政府は大規模な景気刺激策に慎重だ。米欧の金利が上昇する中、大幅利下げは金利差拡大で資本流出を招きかねず、金融緩和にも制約がある。
輸出の先行きにも暗雲が漂う。米国の高関税で締め出された中国製品は第三国に流入し、日米欧など15カ国・地域は今月、過剰生産に対抗する声明に署名した。米AI関連企業の信用不安を機に投資バブル崩壊の懸念も再燃しており、ハイテク頼みの中国経済には危うさがのぞく。こうした中、国際通貨基金(IMF)は、中国の成長率が今年の4.5%から来年は4.0%に失速すると予測する。
中国の減速は世界経済にも波及しかねない。IMFは、中国の成長率が1ポイント低下すれば主要貿易相手国の成長率を最大0.3ポイント押し下げると試算。スリニバーサン・アジア太平洋局長は「輸出依存からの脱却」と「大規模な財政刺激策」を求めた。中国政府は成長と財政規律のはざまでジレンマを抱えている。
〔写真説明〕中国江蘇省宿遷市にある半導体製造プラントで作業する技術者=2025年10月(AFP時事)
2026年10月19日 21時42分