
【香港時事】香港北部・新界地区大埔の高層住宅で発生した大規模火災に関連し、中国政府直轄の治安機関、国家安全維持公署は29日、火災に便乗して混乱をもたらす行為は「厳しく処罰される」と警告した。防火対策の不備を巡って監督当局の責任を問う声が高まる中、当局批判が反政府デモにつながる可能性を警戒し、反体制的な行動を封じ込める狙いがあるとみられる。
同公署は談話で「反中勢力が虚偽情報を流布し、香港政府への憎悪をあおっている」と主張。市民の悲しみにつけ込み、2019年の大規模な反政府デモを再現しようとする動きだと決め付け、国家安全維持法(国安法)や国安条例などで厳しく処罰すると警告した。
地元メディアによると、香港警察は29日、火災に関する請願書を作成したとして、扇動容疑で男性1人を逮捕した。男性は独立調査委員会の設置や政府職員の責任追及など4項目の要求を掲げ、オンラインで署名を呼び掛けたり、現場周辺でビラを配布したりしていた。
支援拠点周辺では、警察がボランティアに物資の撤去を求めた。過去のデモ参加者が支援活動に参加することを警戒しているとみられる。
26日に火災が発生した高層住宅7棟は外壁の補修工事中で、可燃性の高い発泡スチロールの使用などが延焼の要因になったとみられている。これまでに146人の死亡が確認された。依然として約40人と連絡が取れておらず、犠牲者はさらに増える恐れがある。
〔写真説明〕大規模火災の被災者向けに集まった支援物資を仕分けるボランティア=29日、香港・大埔(EPA時事)
2025年12月01日 07時23分