脂肪から採取した幹細胞を培養し、点滴で体内に戻す再生医療を受けた患者が死亡したとして、厚生労働省は29日、再生医療安全性確保法に基づき、「一般社団法人THティーエスクリニック」(現日本医療会東京サイエンスクリニック、東京都中央区)に治療の一時停止を求める緊急命令を出したと発表した。細胞を培養した「コージンバイオ」社の埼玉細胞加工センター(埼玉県坂戸市)にも製造の一時停止を命じた。患者の死亡による緊急命令は初めて。
厚労省によると、亡くなったのは外国籍の50代女性。慢性の痛みを和らげるために同クリニックを受診し、20日に培養細胞の投与を受けていたところ、体調が急変して死亡したという。国は27日に報告を受けたが、詳しい原因は分かっていない。
〔写真説明〕厚生労働省=東京都千代田区
2025年08月29日 20時08分