祖業・ヨーカ堂、ファンド傘下に=セブン&アイ、設立20年で再出発



セブン&アイ・ホールディングス傘下の総合スーパー「イトーヨーカドー」を運営するイトーヨーカ堂(東京)など約30社が連結から外れる。コンビニ経営に集中するセブン&アイの構造改革の一環。ヨーカ堂は創業から100年以上の歴史を持ち、セブン&アイの祖業だが、米投資ファンドのベインキャピタル傘下で再出発する。

連結から外れるのは9月1日付。同日はくしくもセブン&アイの設立から20年の節目でもある。7月中旬にカナダのコンビニ大手が買収提案を撤回し、昨夏からの騒動に終止符が打たれた。こうした中、スーパーに加え、外食や雑貨など非中核事業を切り離し、コンビニを核とした成長に向けて背水の陣を敷く。

ヨーカ堂は、1920年に開業した洋品店「羊華堂」がルーツだ。衣料品に加え、食品や日用品を扱う総合スーパーとして成長し、イオンやかつてのダイエーとともに、日本の小売業発展の一翼を担った。

だが、カジュアル衣料「ユニクロ」などの専門店やインターネット通販の台頭で、近年は苦境が続いた。2023年3月には衣料品事業からの撤退を発表し、25年2月に不採算の33店の閉鎖を完了。同年2月期の純損失は337億円に上り、5期連続の赤字に終わった。26年2月までに、配置転換などで正社員のうち約1000人を減らす方針も示している。

少子高齢化や物価高などを背景に消費者のニーズはめまぐるしく変化している。競合ではディスカウント店「ドン・キホーテ」が訪日客需要を取り込み、集客につなげている。九州が地盤のトライアルホールディングスは大手スーパーの西友(東京)を傘下に収め、独自のIT技術を武器に関東圏に本格進出する。

セブン&アイは30年度までに3兆2000億円の成長投資を行う。商品宅配事業を強化するほか、M&A(合併・買収)も視野に国内外で出店を拡大する。ヨーカ堂は食品事業に集中する考えだ。新たな道を歩み始めたセブン&アイとヨーカ堂。競争環境が激化する中、収益の柱となる事業を早期に打ち出せるか、これからが正念場だ。

【時事通信社】 〔写真説明〕イトーヨーカ堂発祥の地に建てられた看板=8月29日、東京都台東区 〔写真説明〕セブン&アイ・ホールディングスの変革について記者会見するスティーブン・ヘイズ・デイカス社長=8月6日、東京都千代田区

2025年08月31日 19時01分


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