市街地に出没したクマを捕獲するため、市町村の判断で発砲を可能にする改正鳥獣保護管理法が9月1日に施行される。環境省によると、クマによる攻撃でけがや死亡した人は2023年度に219人に上り、統計がある06年度以降で過去最多となった。今年度もすでに各地で被害が頻発。クマ出没のさらなる増加が懸念される秋に備え、被害防止につなげる。
現行制度では、住宅密集地での銃の使用は原則として禁止されており、危険が差し迫って警察官が命令を出した場合に限って認められる。ただ、判断の遅れで発砲のタイミングを逃す事例もあったことから、市町村から委託を受けたハンターによる捕獲を行えるようにする。
発砲は、市町村が警察などと連携して現場周辺の通行制限や住民の避難誘導を行い、安全が確保されていることが条件。クマが建物内に立てこもったり、河川敷や木の上でこう着状態になったりしているケースが想定される。銃弾が周囲の建物などに当たり、損害が生じた場合は市町村が補償する。クマのほか、イノシシも「危険鳥獣」と定義され、発砲の対象となる。
改正法では、市町村が都道府県に応援を要請できる一方、これまでにクマの対応経験が少ない地域では人材やノウハウの不足が見込まれる。そこで環境省は、ハンターを含む専門人材と自治体をマッチングさせ、事前に訓練や研修を行うことで、平時から備えてもらう。自治体職員の増員も支援して対応力の底上げを図る。
【時事通信社】
2025年08月31日 07時01分
administration