
宇宙初期の極小銀河をジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観測したところ、初代の星々が寿命を迎えて超新星爆発を起こし、放出されたガスが多く含まれることが分かった。極小銀河にある星々が初代の生き残りか、生まれたての第2世代かは、はっきりしないが、世代交代の過程が明らかとなった。金沢大や国立天文台などの国際研究チームが13日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
天の川銀河(銀河系)の周辺などでは、非常に古い星が少数含まれ、暗く化石のような「超低光度矮小(わいしょう)銀河(UFD銀河)」が見つかっている。宇宙初期の極小銀河と特徴が似ており、国立天文台の大内正己教授は「UFD銀河が生まれたところを観測できたのかもしれない。全く予想しなかった発見だ」と話している。
138億年前に宇宙が誕生した直後は、水素とヘリウム、リチウムの軽い元素しかなかった。これらを材料とする初代の星々ができると、内部の核融合反応で炭素や酸素など、鉄までの重い元素が合成され、超新星爆発によって周囲に放出されたと考えられている。
大内教授や金沢大の中島王彦准教授らは、宇宙誕生から8億年しかたっていない極小銀河を、手前にある巨大銀河団の「重力レンズ効果」を利用して観測。画像は取得できなかったが、星間ガスの元素を分析できた。水素に対する酸素の割合が観測史上最も少なく、炭素は多いことなどが分かり、これらは初代の星々によって合成された重い元素の分布と一致した。
〔写真説明〕ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観測した宇宙初期の極小銀河の位置(左下拡大写真の2本の白線の間)。画像は取得できないが、元素を分析できた(NASA、ESA、CSA、ネイチャー誌提供)
〔写真説明〕宇宙初期の極小銀河の観測成果を発表した金沢大の中島王彦准教授(右)と国立天文台の大内正己教授=12日、文部科学省
2026年05月14日 00時15分