酵母のエタノール耐性を解明=特定膜脂質が関与―岐阜大



発酵を行う微生物「出芽酵母」がエタノールに耐性を持つのは、生体膜を構成する脂質が深く関わっているとする研究成果を岐阜大の谷元洋教授(脂質生化学)らのグループがまとめた。論文は今月、国際学術誌オンライン版に掲載された。

発酵では分解された糖が細胞にとって有害なエタノールに変換される。谷教授らは真核生物の生体膜を構成する脂質について、エタノール耐性との関係を調べるため、11種類の変異株を使って実験した。

その結果、脂質の一種である「マンノシルイノシトールホスホリルセラミド(MIPC)」を合成する酵素が欠損した出芽酵母はエタノールにさらされると多数の細胞死が確認された。

また、日本酒やワインの醸造に近い条件下で発酵培養したところ、MIPCを合成する酵素が欠損した変異株はエタノールの蓄積に伴って細胞死が増え、発酵の進行も遅くなった。MIPCの生合成が発酵環境にも重要な役割を果たすことを示しているという。

谷教授は「研究で得られた知見は日本酒酵母やバイオ燃料生産酵母など、利用される産業酵母の改良につながる可能性がある。将来的にはより高効率な発酵生産プロセスへの応用が期待される」と説明している。

〔写真説明〕顕微鏡で撮影された出芽酵母(谷元洋教授提供)

2026年05月30日 14時32分


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